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建築家インタビュー#3【シンチクリノベ】
建築家インタビューの第三弾は、 建築賞の受賞歴もお持ちで、リノベーションにおいてもデザイン×性能で快適な家づくりを実現してきた、前原尚貴建築設計事務所の前原尚貴さん。
最近では、建築資材や住宅設備の値上がりなどにより、新築と比べてコスパ良くマイホームが手に入ると、リノベーションの家づくりの人気が高まっています。
住宅のリノベーションを多数手掛けてこられた前原さんに、その魅力についてお話を伺いました。
前原尚貴建築設計事務所/前原尚貴さん
作例の一部
インタビュアー:
家づくりで大切にしていることは何ですか?
前原さん:
作りすぎないで自由度を持たせることですね。
ヒアリングの中から、施主様が使いやすい家を膨らませていきます。流行に流されない永く快適に住める家づくりを心がけています。
中でも心地のいい木陰のような空間を創るため、垂木現し(たるきあらわし※)は個人的にも好きで取り入れることも多いですね。
※「垂木」とは屋根を支える部材の一部で、本来は天井の中に隠されるが、その垂木を見えるようにすることを「垂木現し」といいます。
垂木現し(天井)/前原さん自邸のリビング
インタビュアー:
リノベーションの家づくりで難しいところはどんなところですか?
前原さん:
制約がある中でいかに自由度をあげることができるかが、ポイントであり難しいところですね。
一方で難しいことも多いですが、制限があることで限界も決まっているためやりやすさもあります。
一番難しいのは、実際に物件の中を見てみないとわからないことですね。
外側を見ただけではわからないことが多く、実際に壁を壊してみて想像していたよりも状態が悪いこともあります。
そんな時こそ、建築家の腕の見せ所と言いますか、今までの経験が活かされますね。
インタビュアー:
リノベーションって性能の面はどうなんでしょうか?
前原さん:
リノベーションは物件自体が古いからと、性能があまりよくないイメージを持っている方もいらっしゃいますが、リノベーションだからと言って一概に性能が悪いことはありません。
新築と同じ断熱材などを使用するため、性能も新築と同じで一年を通して快適に暮らすことができます。
また、耐震性もアップできるため、性能の面でリノベーションだからと心配する必要はありません。
インタビュアー:
リノベーションのコンセプトなどはありますか?
前原さん:
一言で言うと、「ヴィンテージ」ですね。
単に古いのではなく付加価値をつけることで、新築では出せない「経年による味」=ヴィンテージを出すことができるのが、リノベーションの醍醐味だと思います。
新しい中に懐かしさやノスタルジックな雰囲気を感じることができるのが、リノベーションの魅力ですね。
立派な梁などを敢えて出すことで、新築では出せない無骨さや味が生まれます。
インタビュアー:
リノベーションで気を付けることはありますか?
前原さん:
基礎や構造がしっかりしているかが大切です。
フルスケルトン(基礎などの骨組み以外全て壊す)の場合でも、基礎や土台は元の物を使用するため、そこが悪くなってしまっていると、土台を作り直す必要が出てきてしまうため、工事費用が余計にかかってしまうこともあります。
一見すると綺麗でも、見えないところが漏水していたり、基礎や土台が想定より状態が悪いために基礎からやり直すことになるケースも珍しくありません。
良さそうな中古物件を見つけても、独断で判断せずリノベーションに適した物件かをプロに相談することが大切です。
それに、リノベーションは建物だけに目がいってしまいますが、立地条件もすごく大切です。
立地条件によっては、それを活かしたリノベーションで大きく見違える物件もあります。
街でたまたま通りかかって目に入った家の中にも、立地の面白さを活かしきれていない家も多いです。
建物だけでなく、立地条件を含めて付加価値を付けることができるかが、建築家の腕の見せ所だと思います。
模型を使用して景観を活かす家づくりの説明をしている一場面
実際の作例|せせらぎの家
前原さん:
リノベーションは立地条件や建物の状態によっては、新築と比較してかなりコスパ良く家づくりを実現することができます。
家づくりやリノベーションについて困っていることなどあれば、セカンドオピニオンを受けるくらいの気持ちで気兼ねなくご相談ください。
信和建設では「建築家とつくる家づくり」を通じて、皆様にとっていい家を探し続けております。
新築、建て替え、リノベーション等、建築家とご一緒に皆様の想いをカタチに変えてまいりましょう。お気軽にご相談ください。
取材協力:前原尚貴建築設計事務所
https://maenaoarchi.com/index.html