建築家インタビュー#2【落ち着く空間作り】 | 家づくり | 信和建設株式会社
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建築家インタビュー#2【落ち着く空間作り】

建築家インタビューの第二弾は、多数の建築受賞歴をお持ちで、落ち着く空間づくりが印象的なアーキスタジオ/阿部直人建築研究所の阿部直人さん。

旅行が趣味という阿部さん、リラックスできる空間づくりが一体どのようにして生まれるのか、その極意を伺ってきました。

 


アーキスタジオ/阿部直人建築研究所 阿部直人さん

 

インタビュアー:
空間づくりが印象的ですが、どんなことを意識されているのですか?

 

阿部さん:
余計なものを省いて、できるだけシンプルに納めたいと思っています。本当に必要なものだけで空間をつくることを心がけています。

壁や天井や窓という建築をつくる要素と、家具や照明や電化製品などの生活に必要なものをできるだけスッキリと納めた空間をつくることで、その中で暮らす人が引き立ち、広さに関係なくゆったりと気持ちよく過ごせる生活空間になるのではないかと思っています。

無駄を省いたシンプルな空間が繋がりながら、豊かで気持ちの良い住宅をつくるために、いくつものスケッチや図面、模型など様々な方法で検討しながら設計をしています。

その他に、住宅が建つ周辺環境のことも考えます。

ただ、いい住宅を建てるというだけではなく、その環境の中で地域の方と風景を共有して生活していることを自覚することが大切です。自分の敷地だけで考えるのではなく、周囲に迷惑になっていないか、さらに積極的にどう周りの環境を利用し、気持ちよく生活できるかなどを意識しています。

 

インタビュアー:
シンプルな空間づくりはどのような観点から生まれたのですか?

 

阿部さん:

住宅の中で過ごす時、どんな空間であればゆったりと落ち着くことができるのか、そんなことをいつも考えています。

少し哲学的になりますが、人間が感じる感覚はある程度皆な同じだと思います。

人間はそもそもどうしたらリラックスできるのかを考える中で、導き出した答えがシンプルな空間でした。物が主張する環境でなく、人が住宅の中で居心地よく過ごすことができる環境は、自分の揺れ動く気分を受け止めてくれるシンプルな空間なんだろうと考えています。

設計で悩んだりした時は、人間が本来、持っている動物的な感覚を意識することで答えを導き出すことがあります。

時代の流行や建てる時の施主様の想いだけでなく、「人としてどう感じ、家族とどう一緒に過ごすのかを考え、どうすれば心地良い居場所になるのか」、流行とかではない住み手と一緒に歳を重ねていくことができる住宅をつくらなければならないと思っています。

 

インタビュアー:
人間本来の落ち着く感覚ですか…すごい深いですね。
人間本来の感覚を考えるようになったきっかけなどはありますか?

 

阿部さん:
公共建築の設計にも携わっている経験が大きいかもしれません。

公共の建物を設計するときは機能性はもちろんですが、一人の人ではなく多種多様な人がどのように使うか、どうしたら多くの人と同じ空間を共有しながら気持ちよく使うことができるかを様々な角度から考えます。

まず、人が主体でなければならない。人としてどんな行動を取るか、どんな考え方をするかなどを想像してきたことが、住宅の設計にも活きていますね。

反対に住宅を設計する時に施主様一人一人と向き合うことで、人としての多様な感覚をダイレクトに感じ、それが公共の建物の設計にも活きています。

人々がどんな風に、どんな想いで行動するのか考えるのが好きです。人が好きですね。

 

インタビュアー:
公共の建物と住宅のどちらも携わっているからこそ生まれた視点ですね。
これからやってみたい建築などはありますか?

 

阿部さん:


集合住宅に携わってみたいですね。
それもただの集合住宅ではなく、そこに住んでいる人どうしの関わり合いが自然と生まれるような集合住宅です。ドア1枚で仕切られた、ただただ個別の住まいが並んだり積み重なったりしているだけではない住まい。

つまり小さな町のような集合住宅、他の人と一緒に住んでいることが、そこに暮らす人々の毎日の生活や暮らしを豊かにしてくれる。そんな集合住宅をいつか設計してみたいですね。

 

インタビュアー:
人との関わり合いが生まれる集合住宅、素敵な考えですね。
お話を聞いていて人々の暮らしに焦点があると感じたのですが、旅行がお好きとのことで、やはりそこでの暮らしや建物が目に入ってくるものですか?

 

阿部さん:
その場所ならではの暮らしや多様な文化を見ることができるのはとても楽しいし、その街の環境に自分を置くことで、一時ですけれど街の人たちと同じようにその町で暮らしている気分にもなれる、そんな開かれた街が好きです。

建築はもちろんですが、街を歩き、人と話し、観察する。食文化が違うことで人の感覚が変わり、そこから地域独自の文化や暮らし方が見えてきます。

それは、現地に行かないと味わえない醍醐味の一つですね。

様々な土地で色んな体験をすることで、人は何を感じ、どんな暮らしをしているのか、それが建築にも活かされます。

 

インタビュアー:
現地に行かないと味わえないことが旅行の醍醐味ですよね。
個人的な質問ですが、旅行先でおすすめの場所はありますか?

 

阿部さん:
イタリアですね。

なんといっても街がおもしろい。人、食べ物、お酒(ワイン)、どれを挙げても魅力的でした。

ついつい楽しくて、結局5ヶ月も滞在してしまいました。
でも、あの時の経験は建築家としての生き方にとても活かされていると思っています。
時間ができれば、またゆっくり歩き回りたいですね。

 

インタビュアー:
阿部さんのシンプルな空間設計力の裏側には、人本来の感覚をとても大切にしている、人間味溢れる魅力的な一面がありました。
最後に、これから家づくりを検討している方にアドバイスをお願いします。

 

阿部さん:
住宅をつくりたいとお考えの方には、漠然とどうしようかと悩んでいらっしゃる方も多いかもしれませんが、ぜひ遠慮せず、まず話をしに事務所へおいでください。

話をお聞かせいただければ、いろいろなアドバイスもできますし、ご自分にとって住宅をつくることの本当に大切なことが見えてくるかもしれません。そんな気づきが生まれるかもしれません。

どうしても建築家に直接相談するのは少しハードルが高いし緊張すると思われる方は、信和建設さんにお気軽にお声がけください。

 

 

信和建設では「建築家とつくる家づくり」を通じて、皆様にとっていい家を探し続けております。

新築、建て替え、リノベーション等、建築家とご一緒に皆様の想いをカタチに変えてまいりましょう。

お気軽にご相談ください。

 

取材協力:アーキスタジオ/有限会社 阿部直人建築研究所
https://www.ab-as.com/